あるヨガクラスで、自分の心と身体を内観するというテーマで参加したことがあります。
そのクラスのインストラクターは、ブロックの使用を強要しました。
ブロックはあくまでも補助器具の位置付けです。
ブロック使用の強要は、ヨガ的思考とずれが生じています。
アイアンガーヨガがベルトなどを使用するプロップスの発祥です。
その日のインストラクターは、ブロックを使用した理想のポーズを取ることを目標としていました。
体が硬く、怪我に繋がる身体の使い方をしている生徒には、補助器具を使い、アプローチする筋肉に意識を集中させます。
本来、心と体を内観するということは、目を閉じてポーズを味わい、その日の身体の調子を聞き出す作業です。
怪我防止でブロックを使うと良いのです。
私のハタヨガのインストラクター取得時の師匠はブロックを一切使いませんでした。
・目を瞑り、内観しながら身体の声を聞くことに集中すること
・怪我をしない、させない。
・クッションなどを利用しながら、筋肉の痛さの限界の手前で止まる。
・微細な動きで定まるところをさがし、体が気持ち良いところでキープする。
・一つの姿勢を20分から30分ほど保持し、身体の変化を楽しむこと。
・深い呼吸で、余計な思考をしないように、今の時間に意識を集中させる。
・様々な体型、年齢、怪我や腰痛の人、妊婦さんやシニアの方、身体が不自由な方など、状況を見ながら声かけをアプローチする。
など、古代から続いているヨガの本質や理論に基づく指導方法でした。
ブロック使用を生徒達に強要した先生は、何が問題だったのでしょうか?
それは、八支則から考えてみると
・自分の頭に描いたブロックを使うポーズを生徒に取らせることに執着していました。ヨガは舞踊と違い人に見せるものではありません。→ヤマのアパリグラッハ『あらゆる物事に執着しない』
・先生自身が折角テーマを決めていた『心と身体を内観する』に反して、ブロックばかりに気を取られて、無駄なエネルギーを生徒に使わせていました。→ヤマ ブラフマチャリア 『無駄なエネルギーを消費しない』
・指導者として、多種多様な生徒さんがいることを認識が必要ですが、一つの指導法で止まってしまっています。→ニヤマ タパス『進化を続け変化を受け入れる』
・生徒さん達はお金を払って、特別クラスに時間を使って学びに来ていることを忘れてしまっています→ニヤマ サントーシャ『与えられた環境・現状を受け入れ、感謝する』
ヨガはサービス業としてのビジネスでもあります。
お客様がお金を支払い、対価をいただいています。
生徒さん達が気持ちよくヨガの本質とともにレッスンができる環境づくりが必要です。
収入源が、お客様からいただいていることを常に忘れてはいけません。
人の心を動かす指導方法、お客様が気持ちよくお財布からお金が出すレッスン提供を考えていくと、おのずと言葉掛けや態度、感謝の気持ちが行動に現れてきます。
日々ありがたみを忘れないようにしたいものです
今日もお読みいただきありがとうございました。
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